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ウォークフォワードバックテストEA検証

IS/OOS分割では足りない|ウォークフォワードの窓設計

公開日: 2026-10-13読了目安: 約5分
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結論:OOSが一区間だけなら、まだ「一回の試験」にすぎない

データを最適化用(IS)と検証用(OOS)に分ける方法は、過剰最適化を疑う第一歩として有効です。ただし分割が一回きりだと、OOSの結果は「その一区間でどうだったか」しか教えてくれません。

私たちの結論は次のとおりです。OOSを複数の窓に分けて前に進めながら検証し、合計ではなく窓ごとに黒字かどうかを見ます。合計が黒字でも、利益が特定の窓に偏っているなら評価は保留にします。

固定分割の弱点

分割点が結果を左右する

固定分割では、どこで区切るかを開発者が決めます。OOSがたまたまトレンドのはっきりした時期に当たれば、ロジックの実力以上に良く見えます。逆の時期に当たれば、使えるロジックを捨てることになります。どちらも、分割点という一つの選択に結果が依存しています。

OOSを何度も見ると、OOSではなくなる

もう一つの問題は開発者側の行動です。OOSの成績が悪いとパラメータを直し、もう一度OOSを見る。これを繰り返すと、OOSに合うものを選んでいるのと同じになります。形の上では未使用データでも、実質は最適化に使われています。これは私たち自身にも起こりうる失敗で、手順で縛らないと防げません。

ウォークフォワードの窓の作り方

ウォークフォワードは、「最適化する期間」と「その直後の検証する期間」をひと組の窓として、時間を前にずらしながら繰り返す方法です。検証区間は常に最適化区間より未来にあり、OOSが複数得られます。

方式窓の動かし方向いている場面弱点
固定分割区切りは一回だけ最初の粗い確認分割点への依存が大きい
ローリング型最適化期間の長さを保ったまま前進相場の性質が変わりやすい銘柄古い局面の情報を捨てる
アンカード型開始点を固定し最適化期間を伸ばす取引数が少ないロジック古いデータの影響が残り続ける

窓の長さを決める基準

窓の長さは暦の年数よりも、取引数で決めるほうが安全です。検証区間に入る取引が少なすぎると、黒字か赤字かは偶然で決まります。保有時間が長く取引頻度の低いロジックほど、検証区間を長く取る必要があります。

窓ごとに確認する手順

  1. 検証区間が重ならないように窓を並べる
  2. 各窓で最適化し、得たパラメータを直後の検証区間だけに適用する
  3. 検証区間ごとに損益、PF、取引数、最大ドローダウンを記録する
  4. PF1.0以上の窓がどれだけあるか、赤字の窓がどの時期かを確認する
  5. 最大の利益を出した窓を除いても、残りの合計が黒字かを確認する
  6. 窓ごとに選ばれたパラメータが大きく飛び回っていないかを見る

チェックの要点は三つあります。

  • 黒字の窓が一部に集中していないか
  • 赤字の窓の損失が、黒字の窓の利益に対して大きすぎないか
  • 隣り合う窓で最適パラメータが極端に変わっていないか

全窓が黒字である必要はないと私たちは考えています。トレンドフォロー型は、方向感のない時期の窓で負けるのが普通です。問題にすべきなのは、負ける窓の理由が説明できないこと、そして負けの深さが想定を超えることです。

限界と注意

取引数が足りないと窓が成立しない

ATLASのバックテストは検証7.5年で1193取引あり、複数の窓に分けても各窓にある程度の取引が残ります。一方、ETHEREUM EAのバックテストは検証7.5年で154取引です。こうした低頻度のロジックを細かい窓に切ると、ひと窓あたりの取引はごくわずかになり、窓単位の黒字・赤字はほとんど判断材料になりません。窓を粗くするか、窓ごとの評価は参考程度にとどめるしかありません。

公開している数値は全期間の値

実測ランキングに載せているPFや勝率は、検証期間全体を通した値です。窓ごとの成績ではないので、これだけで過剰最適化の有無は判定できません。この点は割り引いて読んでください。

窓の設計そのものも最適化できてしまう

窓の長さや本数を変えて、結果が良く見える組み合わせを選べば、それも過剰最適化です。窓の設計は検証を回す前に決め、後から動かさないことが前提になります。外から見て、その前提が守られたかを確かめる方法はほぼありません。

それでも将来は分からない

ウォークフォワードを通過しても、過去に無かった相場には対応できません。私たちが運用しているデモ口座でのフォワードテストでも、損益がマイナスのEAが複数あります。デモ口座であって実口座の成績ではなく、開始からの期間も短いので、良い結果も悪い結果も結論を出せる段階ではありません。検証手法は外れを減らす道具で、当たりを約束するものではありません。

まとめ

  • 固定のIS/OOS分割は、分割点とOOSの見直し回数に結果が左右される
  • ウォークフォワードは検証区間を複数作り、前に進めながら確かめる方法
  • 見るのは合計ではなく窓ごとの損益。利益の偏りとパラメータの安定性を確認する
  • 取引数が少ないロジックは窓に分けるほど判断が不安定になる
  • 窓の設計は事前に固定する。通過しても将来の成績は分からない

検証の考え方はノウハウ集にもまとめています。

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