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リカバリーファクターとは — DDからの回復力を測る指標

公開日: 2026-10-10読了目安: 約5分
⏱ 本記事は公開日時点の情報です。EAの実績数値(PF・DD・年率)は運用や再検証で変動するため、最新値は各EAページでご確認ください。 最新のEA実績を見る →

結論:PFは「稼ぐ効率」、リカバリーファクターは「痛みに対する稼ぎ」

リカバリーファクターは、純益を最大ドローダウン(DD)で割った値です。「最悪の落ち込みの何倍を稼いだか」を表します。

プロフィットファクター(PF)が高くても、この値が低いEAはあります。私たちのEAでは、PFが最も高いGOLD KING v6が、リカバリーファクターでは最も低い部類に入ります。PFだけでEAを選ぶと、この差を見落とします。

仕組み:純益÷最大DD

計算式は次のとおりです。

リカバリーファクター = 純益 ÷ 最大ドローダウン(金額)

MT5のバックテストレポートでは、含み損を含めた有効証拠金ベースの最大DDが分母になります。仮に純益が100万円、最大DDが50万円なら、値は2.0です。

PFと何が違うのか

PFは総利益÷総損失で、取引を1本ずつ足し合わせた効率です。損失がどの順番で、どれだけ連続して出たかは反映されません。

リカバリーファクターの分母は、損失が重なったときの「谷の深さ」です。同じPFでも、負けが固まって出るEAや、含み損を長く抱えるEAは値が下がります。

低い値が意味するもの

  • 1.0未満:検証期間全体の純益が、最大DD1回分より小さい状態です。同じ規模のDDがもう一度来れば、積み上げた利益がなくなる計算になります。
  • マイナス:純益そのものが赤字です。
  • PFは高いのに値が低い:利益に対して谷が深すぎるEAです。ナンピンや損切りの遅い設計でよく見られます。

「何以上なら合格」という基準を、私たちは断定できません。理由は後半の「限界と注意」で説明します。

実測値で見る:PFの順位と入れ替わる

下の表は、すべてMT5実機バックテストの実測値です。フォワード実績ではありません。

EAPFリカバリーファクター有効DD検証期間
GOLD KING v64.663.7491.3%7.5年
ETHEREUM EA2.836.6617.1%7.5年
AIFW1.774.074.6%3.7年
DONCHIAN ENGINE1.57.5310.8%9.4年

GOLD KING v6はPF 4.66・勝率83.1%ですが、有効DDは91.3%で、リカバリーファクターは3.74にとどまります。一方、DONCHIAN ENGINEはPF 1.5・勝率34.5%と地味ですが、リカバリーファクターは7.53で表の中では最も高い値です。

つまり、PFの高さと、谷の深さに見合う稼ぎがあるかは別の話です。GOLD KING v6を攻撃型と分類しているのは、この谷の深さがあるからです。

TRINITYとGOLD NEURONは、私たちの集計にリカバリーファクターの値が入っていないため、比較から外しました。全EAの値は実測ランキングで確認できます。

確認手順チェックリスト

  1. MT5のバックテストレポートで「リカバリファクター」の行を探す。
  2. 分母が有効証拠金ベースのDDかを確認する。残高ベースだと含み損が隠れます。
  3. 検証期間を確認する。期間が違うEA同士は、そのまま比べない。
  4. 複利か固定ロットかを確認する。複利だと純益が後半に膨らみ、値が大きく出やすくなります。
  5. PF、最大連敗、有効DDと並べて読む。
  6. 取引数を確認する。少なければ、最大DDはまだ出ていない可能性があります。

限界と注意

「速さ」を直接測っているわけではない

この指標は回復力の目安として使われますが、DDから元の水準に戻るまでの日数は含まれていません。半年かけて戻したEAと1か月で戻したEAが、同じ値になることがあります。回復の速さを知るには、資産曲線で谷の幅を見る必要があります。

検証期間が長いほど大きく出やすい

純益は年数とともに積み上がりますが、最大DDは一度更新されるとしばらく変わりません。そのため、長い検証ほど値が高く出やすくなります。上の表でも、AIFWは3.7年、DONCHIAN ENGINEは9.4年と期間が違います。厳密には、この2本の値を横並びで優劣づけることはできません。

過去の最大DDは将来の上限ではない

分母はあくまで検証期間内の最悪値です。それより深いDDが将来来ない根拠にはなりません。大きな損失をまだ一度も出していないナンピン系EAは、破綻するまで値が高く見えます。

短いフォワードでは使えない

ここからはバックテストではなく、Exnessのデモ口座でのフォワードテストの話です。2026年10月9日時点で、ATLAS PORTFOLIOのデモ口座は35取引で損益率-13.93%、DD13.93%です。損益率とDDが同じ値なので、この時点ではまだ谷から回復していないと読めます。

純益がマイナスのうちは、リカバリーファクターは評価に使えません。数か月のデモ運用では、この指標で良し悪しを判断できないと私たちは考えています。

まとめ

  • リカバリーファクターは純益÷最大DD。最悪の谷の何倍を稼いだかを示す。
  • PFが高くても、谷が深ければ値は低くなる(GOLD KING v6はPF 4.66、リカバリーファクター3.74)。
  • 1.0未満は、最大DD1回分の利益も残せていない状態。
  • 回復までの時間は含まれないので、資産曲線と合わせて見る。
  • 検証期間や複利設定で値が変わるため、条件の違うEA同士を単純比較しない。
  • 短期のフォワードや取引数の少ない検証では判断材料にならない。

ほかの指標の読み方はEA・MT5ノウハウにまとめています。

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