EA稼働中の日常点検 - MT5で確認すべき5つのポイント
EA稼働中の日常点検 - MT5で確認すべき5つのポイント
EAをVPS上で動かし始めたら「あとは自動で動く」と思いがちですが、定期的な確認は必須です。エラーを放置すると気づかぬうちにEAが停止していたり、誤動作したりします。この記事では、EAを安全に継続稼働させるための日常点検の手順を解説します。
毎日5分チェックリスト
朝いちばんに、上から順に確認します。各項目の詳しい見方は「毎日の確認(4項目)」で解説します。
- Expertタブ: 今日のログに
ERR_などのエラーが出ていないか - 自動売買ボタン: ツールバーの「自動売買」ボタンがON(緑)になっているか
- オープンポジション: 通貨ペア・ポジション数・SLが想定どおりか
- 証拠金維持率: 注意水準(200%未満)に下がっていないか
- EAがエントリーしていない: 下の「異常発生時のフローチャート」で原因を切り分ける
確認頻度の目安
| 確認内容 | 頻度 |
|---|---|
| Expert タブでログ確認 | 毎日1回(朝) |
| オープンポジション確認 | 毎日1〜2回 |
| 証拠金維持率確認 | 毎日(証拠金が少ない場合は複数回) |
| 週次の損益確認 | 毎週月曜日 |
| VPS稼働状態確認 | 週1回 |
| MT5の更新確認 | 月1回 |
毎日の確認(4項目)
① Expert タブでエラーログを確認する
MT5下部の「Expert」タブには全EAのログが時系列で表示されます。
正常なログの例
2026.05.18 09:00:01 SampleEA (XAUUSD,H1): No signal. ATR=1245, EMA50=1998.23
2026.05.18 10:00:01 SampleEA (XAUUSD,H1): BUY SIGNAL confirmed. Lot=0.02, SL=1996.00, TP=2003.50
2026.05.18 10:00:02 SampleEA (XAUUSD,H1): Order placed successfully. Ticket #12345678
注意が必要なログ
ERR_NO_MONEY → 証拠金不足でエントリーできない
ERR_TRADE_DISABLED → 自動売買が無効になっている
ERR_CONNECTION → ブローカーとの接続が切れている
ERR_MARKET_CLOSED → 市場が閉まっている時間帯(土日など)
Margin level too low → 証拠金維持率が設定した閾値を下回った
上の ERR_… は意味が分かるように簡略化した表記例です。実際の文言はEAやMT5のバージョンによって異なり、MT5標準の取引結果コードでは 10019(証拠金不足)、10027(ターミナル側で自動売買が無効)、10017(取引が無効)、10031(取引サーバーに未接続)、10018(市場が閉まっている)に当たります。
ERR_TRADE_DISABLED は特に注意が必要です。MT5の「自動売買」ボタンがOFFになっているか、EAが手動で停止された状態です。VPSの再起動後にEAが自動再起動されていない場合もこのエラーが出ます。
ERR_NO_MONEY(証拠金不足)は残高に余裕があっても出ることがあります。原因6パターンとコード側の恒久対策は専用記事 ERR_NO_MONEY(MT5/MQL5)を完全解決 — 134 / 10019 の原因と直し方 にまとめました。各エラーコードの一覧は MQL5 / MT5 エラーコード対処法(ERR_TRADE_DISABLED 一覧) を参照してください。
Expertタブが長すぎて見づらい場合
右クリック →「クリア」で表示をリセットできます(ログファイルは保存されています)。
② 自動売買ボタンがONになっているか
MT5の上部ツールバーにある「自動売買」ボタン(緑のボタン)がONかを毎日確認してください。新しいバージョンのMT5では、このボタンは「アルゴリズム取引」と表示されます。
- ONの状態: ボタンが明るい緑色
- OFFの状態: ボタンがグレーアウト(スマイルマークが暗くなる)
VPSを再起動した後、MT5が自動起動しても「自動売買」がOFFの状態になることがあります。この状態ではEAはチャートに表示されていても一切取引しません。
MT5の自動起動設定を確認する
VPSでMT5を常時稼働させるには:
- WindowsスタートメニューでMT5のショートカットを右クリック →「プロパティ」
- ポータブルモードで運用している場合は、「ターゲット」の末尾の
/portableオプションをそのまま残す(通常インストールで後から付けるとデータフォルダの場所が変わり、EAや設定が見えなくなるため付けない) - スタートアップフォルダ(
shell:startup)にショートカットを置く
③ オープンポジションの確認
MT5のターミナル(下部パネル)→「取引」タブでオープンポジション一覧を確認します。
-
EAが正しい通貨ペアのポジションを持っているか ゴールド用のEAがEURUSDのポジションを持っていたらMagicNumberの設定ミスの可能性
-
Comment列でEA名が正しいか 各EAはCommentにEA名を記録します。不明なポジションがある場合は手動での誤エントリーの可能性
-
ポジション数が想定通りか OneTradePerDay=trueの設定のEAが複数ポジションを持っている場合は設定確認
-
SLが正しく設定されているか SL=0.0のポジションはストップロスなしの状態(非常に危険)
④ 証拠金維持率を確認する
MT5の「口座情報」パネル(または「取引」タブ下部)に現在の証拠金維持率が表示されます。
維持率の目安
| 維持率 | 状態 | 対応 |
|---|---|---|
| 500%以上 | 余裕あり | 問題なし |
| 200〜500% | 通常範囲 | 問題なし |
| 100〜200% | 注意 | 新規エントリーを減らす検討 |
| 100%以下 | 危険 | マージンコール寸前 |
| 50%以下 | 緊急 | ロスカット危険水準 |
マージンコールとロスカット(強制決済)が何%で発動するかはブローカーや口座タイプによって異なります。上の表は一般的な目安なので、実際の水準は利用中の口座の取引条件で確認してください。
複数EAが同時にポジションを持つと維持率が急速に低下します。ゴールドのポジションは特に証拠金消費が大きいため注意が必要です。
維持率が低い場合の対処
- 追加入金して維持率を回復
- 一部のオープンポジションを手動決済
- EAのRiskPercentを下げてからEAを再稼働
毎週・毎月の確認
損益の振り返り(毎週月曜)
週1回(月曜日の朝)、先週の損益を確認します。
- ターミナル → 「口座履歴」タブ
- 期間を「先週」または「先月」に設定
- 損益合計・取引回数・平均損益を確認
レポートの書き出し(月1回)
口座履歴タブを右クリック →「レポートを保存」でHTMLレポートが出力されます。月1回保存しておくと、後でEAの成績を分析するときに役立ちます。
VPS側の定期メンテナンス(週1回程度)
| 項目 | 確認方法 | 対応 |
|---|---|---|
| VPSのメモリ使用量 | Ctrl + Shift + Esc →「パフォーマンス」→「メモリ」 | 空きが1GB未満なら不要なソフトを終了するか、上位プランへ変更を検討 |
| MT5の更新 | ヘルプ → 「更新を確認」 | 重要なアップデートはEAの動作に影響することがあるため、更新後は必ずExpertタブでエラーがないかを確認 |
| Windows Update | Windowsの設定 → Windows Update | 自動更新で再起動が発生してMT5が止まることがあるため、設定を「手動」にしておき、更新時はMT5を停止してから実施 |
異常発生時のフローチャート
EAがエントリーしていない
↓
自動売買ボタンがONか?
NO → ボタンをONにする
YES ↓
Expertタブにエラーがあるか?
ERR_NO_MONEY → 証拠金確認・入金
ERR_TRADE_DISABLED → EAを再起動
ERR_CONNECTION → ブローカーサーバーを確認
エラーなし → 単純にシグナルが出ていないだけ(正常)
まとめ
EAの「自動」は「無人」ではありません。毎日5分のチェックが、問題を早期に発見して損失を最小化します。
特に重要な確認は:
- Expertタブのエラーログ(毎日)
- 自動売買ボタンのON確認(毎日)
- 証拠金維持率(毎日)
これら3つを朝イチで確認する習慣をつけることで、EAの停止や誤動作に早く気づけ、損失の拡大を防ぎやすくなります。
FAQ
Q: MT5がVPS上で勝手に落ちていた場合、どうすればいいですか?
まずWindowsのイベントビューアー(Winキー → 「イベントビューアー」)でMT5が落ちた原因を確認してください。メモリ不足やWindows Updateによる再起動が多い原因です。MT5の自動起動設定を見直し、再発防止策を取ってください。
Q: Expertタブのログはどのくらい保存されますか?
MT5のログはデフォルトで数千行まで表示されます。ログファイルは MQL5/Logs/ フォルダに日付別で保存されます。古いログが消える前に定期的に保存しておくことを推奨します。
Q: 証拠金維持率が下がったときにEAは自動で止まりますか?
EAによって異なります。当サイトの多くのEAは Guard_EmergencyMargin(既定120%:維持率がこれを下回ると全ポジションを決済)と Notify_MarginAlert(既定150%:下回ると警告通知)を備えています(一部のEAは同じ役割の UseMarginEmergencyClose / EmergencyMarginLevel(既定150%)を使います)。また一部のEAは UseMarginCheck / MinMarginLevel を持ち、UseMarginCheck = true(既定はfalse)にすると、維持率が MinMarginLevel(既定200%)を下回ったときに新規エントリーを停止します。こちらは「新規エントリーの停止」のみで、保有中のポジションは決済されません。お使いのEAがどの設定を持つかは、各EAページのパラメータ一覧で確認してください。
Q: スマートフォンでMT5を遠隔確認できますか?
はい。MT5のモバイルアプリ(iOS/Android)で同じアカウントにログインすると、オープンポジション・口座残高・証拠金維持率をスマートフォンから確認できます。プッシュ通知も設定できるため、重要なアラートを受け取れます。
Q: EAが土日に動いていないのは正常ですか?
はい、正常です。FX市場は週末に閉まります(日本時間ではおおむね土曜の早朝〜月曜の早朝、サーバー時間では金曜の取引終了〜月曜0時頃)。この間にEAがエントリーしないのは正しい動作です。ただし保有中のポジションは週またぎで保有されます(スワップが発生)。
Q: VPSを1週間触れない予定があります。EAを止めておくべきですか?
短期(1週間程度)なら、EAが正常稼働している状態を確認してからそのままにしておくことも選択肢です。心配な場合はMT5の「自動売買」ボタンをOFFにするか、各EAの「一時停止ボタン」(EAのGUI)をONにしてください。長期(1ヶ月以上)の場合は、VPSを意図的に停止する前にすべてのポジションを決済することを推奨します。
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