VPS構築とMT5の24時間運用環境 — EAを止めないための基礎
最終更新: 2026-05-20 | 読了目安: 15分
EAは24時間365日、相場が動いている間ずっと稼働し続けて初めて意味があります。自宅PCを点けっぱなしにする方法もありますが、停電・再起動・回線断のリスクがあります。VPS(仮想専用サーバー)を使えば、PCを閉じてもクラウド上でEAが動き続けます。
なぜEA運用にVPSが必要か
EAはMT5が起動している間だけ動作します。PCをスリープしたり電源を切ったりすれば、その瞬間からEAは停止し、決済もエントリーも行われません。含み益のポジションを抱えたままPCがフリーズすれば、損切りも効きません。
VPSはデータセンターにある仮想PCで、24時間稼働し続けます。自分のPCやスマホからリモート接続して操作し、接続を切ってもVPS上のMT5は動き続けます。停電対策・回線の安定性・約定速度のどれを取っても、自宅PC運用より有利です。
VPSを使う主な理由
- ✓PCを閉じてもEAが動き続ける(24時間稼働)
- ✓停電・OS再起動・回線断の影響を受けにくい
- ✓ブローカーのサーバーに近く、約定が速くスリッページが小さい
- ✓自宅PCのリソースを占有しない
VPS選びのスペック要件
MT5を1〜3個程度動かす場合の目安です。EAの数や複利計算の重さで必要量は変わります。
| 項目 | 最低ライン | 推奨 |
|---|---|---|
| メモリ(RAM) | 2GB | 4GB以上 |
| CPU | 1コア | 2コア以上 |
| ストレージ | 30GB SSD | 50GB SSD以上 |
| 稼働率(SLA) | 99.9% | 99.99% |
| ロケーション | 取引サーバーと同じ地域 | ロンドン/ニューヨーク近郊 |
| OS | Windows Server | Windows Server 2019以降 |
無料VPSと商用VPSの違い
| 項目 | FX業者の無料VPS | 商用VPS |
|---|---|---|
| 費用 | 無料(取引量などの条件付き) | 月額1,000〜3,000円程度 |
| 利用条件 | 一定の残高・取引量・ロット数が必要 | 条件なし |
| ブローカー | 提供業者に固定される | 任意のブローカーで使える |
| スペック | 最小構成が多い | プランを選べる |
| 向いている人 | そのブローカーで十分な取引量がある人 | 複数ブローカーを自由に使い分けたい人 |
MT5セットアップ手順
VPSにリモート接続する
Windowsならリモートデスクトップ接続、Macなら「Microsoft Remote Desktop」アプリで、VPSのIPアドレス・ユーザー名・パスワードを入力して接続します。
MT5をインストールする
VPS上のブラウザでブローカーの公式サイトからMT5をダウンロードし、インストールします。取引口座のID・パスワード・サーバー名でログインします。
EAを配置する
EAのファイルをデータフォルダの MQL5/Experts に置きます。.mq5 の場合はMetaEditorでコンパイルします。MT5を再起動すると「ナビゲーター」にEAが表示されます。
自動売買を有効化する
ツールバーの「アルゴリズム取引」ボタンをオンにし、対象チャートにEAをドラッグ&ドロップ。EA設定で自動売買を許可し、チャート右上にスマイルマークが出れば稼働中です。
接続を切っても動作するか確認する
リモート接続を閉じてしばらく後に再接続し、EAが動き続け取引履歴が更新されているかを確認します。これでVPS運用が成立します。
24時間安定運用のための日次チェック
VPSに任せきりにせず、1日1回は次の項目を確認してください。
MT5とブローカーの接続状態
画面右下の接続インジケーターが緑(受信中)になっているか。赤ならログインし直します。
自動売買がオンになっているか
「アルゴリズム取引」ボタンとチャートのスマイルマークを確認します。VPS再起動後にオフになることがあります。
証拠金維持率
想定外のポジションや含み損で維持率が下がっていないか。危険な水準ならEAを止めて判断します。
VPSのリソース
メモリ使用率が高止まりしていないか。MT5を定期的に再起動するとメモリリークを防げます。
ログとエラー
MT5の「エキスパート」「ジャーナル」タブにエラーが出ていないか。発注エラーが続く場合は原因を調べます。