デモ口座と本番のスプレッド差|検証結果の目減りを見積もる
目次
結論:デモで出た成績は、そのまま本番の成績にはならない
先に結論を書きます。デモ口座で良い結果が出ても、実口座ではスプレッドの分だけ成績が下がると考えておくべきです。下がる幅はEAの取引頻度と1回あたりの値幅で大きく変わるため、「何割減る」と一律には言えません。だから私たちは、自分の実口座でスプレッドの分布を測り、その差を取引1回ごとのコストとして検証結果から差し引く手順をおすすめしています。
なお、FXEA365で公開しているフォワード実績は、すべてExnessのデモ口座でのフォワードテストです。実口座の成績ではありません。この記事で書く「目減り」は、私たち自身の公開データにも当てはまります。
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なぜデモのほうが有利になりやすいのか
配信価格の条件が違うことがある
デモ口座と実口座で、同じ配信価格を同じ条件で使っているとは限りません。業者や口座タイプによっては、デモのスプレッドが狭めに出る、指標発表のときにも広がりにくい、約定が滑らない、といった違いがあります。逆に差がほとんどない業者もあるので、ここは「業者ごとに違い、確かめないと分からない」としか言えません。
平均値ではなく「広がる瞬間」で差がつく
スプレッドの差は、平常時よりも早朝のロールオーバー、指標発表の直後、週明けの窓開けといった時間帯に大きく出ます。EAのエントリーがその時間帯に集中していれば、平均スプレッドが同じに見えても、実際に払うコストはずっと大きくなります。
取引が多く、1回の値幅が小さいEAほど影響を受けやすい
1回の取引で狙う値幅が小さいほど、スプレッドが利益の中で占める割合は大きくなります。例えば当サイトのGOLD TRIPWIREは、MT5のバックテストで平均保有時間0:21:12の短期型です。MEGAMAX DONCHIANのバックテストでの平均保有時間32:58:21と比べると、一般論として、同じスプレッド差でも短期型のほうが成績に響きやすい構造です。ただし、実際にどれだけ響くかは測ってみないと分かりません。
実口座のスプレッド分布を測る手順
| 手順 | やること | 見る値 |
|---|---|---|
| 1. 記録 | 実口座のMT5で、Bid/Askの差をティックごと(または1分ごと)にCSVへ書き出すスクリプトを動かす | 生データ |
| 2. 期間 | 最低でも数週間、できれば指標発表を含む月をまたいで記録する | 記録の日数 |
| 3. 時間帯別 | サーバー時刻の1時間ごとに集計する | 中央値・上位10%の値・最大値 |
| 4. 照合 | EAが実際にエントリーした時刻のスプレッドだけを抜き出す | エントリー時の平均 |
| 5. 比較 | 同じ方法でデモ口座も測り、差を取る | 時間帯ごとの差 |
ポイントは手順4です。全時間帯の平均ではなく、EAが注文を出す時刻のスプレッドが実際のコストになります。記録用のスクリプトは自作でも構いませんし、MT5ツールにある補助ツールを組み合わせても作れます。
割引率の当て方
取引1回あたりの追加コストとして差し引く
いちばん単純で誤りにくい方法です。
- 手順5で出した「実口座とデモ口座のスプレッド差」をΔとする
- 追加コスト = Δ × 1ロットあたりの価値 × ロット数 × 取引数
- 検証結果の総利益から追加コストを引き、PFを計算し直す
PFは「総利益 ÷ 総損失」なので、コストが増えると分子は減り、分母は増えます。もとのPFが1.0に近いEAは、少しの追加コストでも1.0を割り込むことがあります。
スプレッドを固定してバックテストをやり直す
MT5のテスターではスプレッドを固定値で指定できます。実口座で測った上位10%の値を入れて検証し直すと、悲観側の見積もりになります。中央値と上位10%の2通りで回し、成績がどれだけ変わるかを見ておくと、そのEAがスプレッドにどれだけ敏感かが分かります。
限界と注意
- スプレッドしか見ていない。 スリッページ、約定拒否、注文の遅れはこの方法では測れません。実際の目減りはこれより大きくなる可能性があります。
- 測った期間の話でしかない。 スプレッドは相場環境や業者の方針で変わります。半年前に測った値が今も同じとは限りません。
- 固定スプレッドの検証は現実より単純。 実際にはスプレッドが動くので、固定値で回した結果は目安にとどまります。
- 私たちの公開データにも同じ限界がある。 デモ口座でのフォワードテストの成績が良くても、実口座で同じ結果が出る保証はありません。デモ口座での結果は、本番で再現するかを確かめる前段階だと考えてください。
- 業者を選ぶときは、提示されている平均スプレッドだけで決めないでください。比べ方はFX業者比較にまとめています。
まとめ
- デモ口座のスプレッドは実口座より有利に出ることがあり、検証結果はその分だけ目減りすると考える
- 差が大きく出るのは平均ではなく、早朝・指標発表・週明けといった「広がる瞬間」
- 実口座でBid/Askの差を記録し、EAがエントリーする時刻のスプレッドで評価する
- 差を取引1回ごとのコストとして差し引くか、上位10%の固定スプレッドで検証をやり直す
- 平均保有時間が短く取引の多いEAほど、スプレッドの影響を受けやすい
- スリッページは別途かかるため、この見積もりは目減りの下限と考える
- 各EAの検証値は全EAの実測ランキングで比べられる
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