クロスブローカー実tick監査

同じEAを、3社で回した。

市販EAを実ティックで斬ってきた同じ刃を、自社の全ラインナップに向けた。24本を XMTrading・HFM・Exness の実ティックで、同一期間・同一設定・既定値のまま総当たりで回す。ブローカーが変わっても同じEAは同じ挙動をするのか——その全数値を、都合の悪いものも含めて置く。

FXEA365 検証班 / 2026.01.02–07.31 実tick(Model4)・$10,000・1:500・既定値

Why

なぜブローカーを変えて回すのか

実ティックで検証しても、それが1社のデータなら「その1社にたまたま合っていただけ」の可能性が残る。スプレッド、約定の癖、サーバーのタイムゾーン、銘柄の呼び名と仕様——ブローカーが変われば全部変わる。1社で綺麗な曲線が出たEAが、別の会社では口座ごと溶けることが現実にある。だから同じバイナリ・同じ設定のまま、複数社で同時に回して突き合わせる。

検証条件

対象
自社EA 24本(公開ラインナップ全数)
ブローカー
XMTrading / HFMarkets / Exness の各デモ
ティック
Model=4 実ティック要求。ただし実被覆は XM=100% / HFM=54〜56%(下記注記)
期間
2026.01.02 – 2026.07.31(全社で同一)
資金
$10,000 / レバレッジ 1:500
設定
全て出荷時の既定値(検証用の味付けなし)

Result

24本中21本は、ブローカーが変わっても符号が一致した

下表は HFM と XM の突き合わせである。損益の符号(勝ち/負け)が両社で一致したのが 21本、反転したのが 2本、そして1本だけ、片方のブローカーでだけ壊れた。有効ドローダウンの差はほとんどの銘柄で数ポイント以内に収まっており、EAの挙動そのものはブローカーを越えて再現している。

EAHFM 損益XM 損益HFM 有効DDXM 有効DD取引数 (HFM/XM)
GOLD NEURON+2,781,698+1,696,13316.38%21.14%447 / 444
BITCOIN METEOR+1,971+1,58836.21%36.67%10 / 10
BITCOIN NOVA+1,874+1,47630.43%30.60%10 / 10
TRINITY TREND+886+33114.73%18.35%38 / 38
NASDAQ DIP BUYER+331+7462.98%6.23%2 / 9
MONTHLY BURST+492+6759.17%9.40%55 / 53
BITCOIN GLACIER+380+3064.39%4.62%3 / 3
BITCOIN COMET+233+26412.27%12.27%12 / 12
SOLANA COMET+22+1906.77%6.43%11 / 11
BITCOIN NANO+157+1112.72%2.88%3 / 3
GOLD BLITZ+74+753.81%3.79%5 / 5
ETHEREUM TREND+24+410.48%10.97%8 / 8
AUREUS GOLD符号反転+75-23320.51%20.69%18 / 19
GOLD PIVOT符号反転-553+30010.07%5.86%24 / 24
MEGAMAX USDJPY-199-32811.56%12.51%56 / 60
GOLD VIPER-289-76423.93%24.54%18 / 19
BITCOIN COIL-386-4017.38%7.43%3 / 3
ATLAS PORTFOLIO-459-1,00426.75%28.26%154 / 173
MEGAMAX GBPJPY-797-97422.37%23.77%119 / 121
MEGAMAX EURJPY-807-96922.42%23.61%119 / 121
ETHEREUM NOVA-1,068-1,37227.70%29.04%7 / 7
OVERDRIVE USDJPY-1,541-1,93131.63%33.88%56 / 57
DONCHIAN ENGINE-199-32811.56%12.51%56 / 60
GOLD KING v6不具合を検出+6,270-9,77254.72%98.61%345 / 451

※DONCHIAN ENGINE(無料版エンジン)は MEGAMAX USDJPY と同じ中核を同じ銘柄で回すため、数値が一致する(誤記ではない)。

この表を成績表として読まないでほしい

これは7ヶ月・既定値・デモ口座の記録であり、収益性の主張ではない。取引数が1桁のEAが何本もあり、その損益は統計的に意味を持たない。ここで見るべきは絶対額ではなく「同じEAが会社をまたいでも同じ振る舞いをしたか」の一点である。各EAの実際の検証成績(複数年・実tick)は、それぞれの詳細ページに置いてある。

What broke

1本だけ、片方のブローカーで壊れた

GOLD KING v6 は HFM では +6,270 だったのに、XM では -9,772——資金の97.7%を失い、有効ドローダウンは98.61%に達した。同じバイナリ・同じ設定である。原因を追うと、EAの不具合だった。サーバー時刻とGMTのズレを起動時に一度しか測っておらず、3月と11月の夏時間切り替えを跨ぐと1時間ずれたまま走り続ける。セッション時刻で入る戦略にとって、1時間のズレは戦略そのものの破壊である。

検出方式を「週明けのギャップから毎週測り直す」に変更し、出荷バイナリ(v6.21)で同じ窓を回し直した。

修正前修正後 (出荷 v6.21)
純損益-9,772 USD (-97.7%)+7,760 USD (+77.6%)
プロフィットファクター0.483.11
最大 有効ドローダウン98.61%64.18%
取引数451390

この不具合は、1社だけで検証していたら永久に見つからなかった。HFM でも Exness でも、修正前のバイナリは黒字だったからである。複数社で回すことの価値は、まさにこういう所にある。

Full disclosure

正直に言っておくこと

★2社は実ティックの被覆率が違う

MT5 に Model=4(実ティック)を要求しても、実際に実ティックで埋まるのはブローカーが配信している期間だけで、足りない分は MT5 が M1バーから生成したティックで補う。今回の実測被覆は XM が100%、HFM は54〜56%だった。つまり本ページの HFM 側は、期間の約半分が生成ティックである。したがって XM と HFM の差は『ブローカーの違い』だけでなく『ティック品質の違い』も含む。私たちが市販EAを批判する時に使っているのと同じ論点なので、自社の表にも同じ注記を付ける。レポートに MT5 自身が『ヒストリー品質 N% リアルティック』と書いているので、購入前に必ずそこを見てほしい。

修正後も有効DDは64%と高い

GOLD KING v6 は残高ベースのドローダウンが4.16%しかない一方、有効ドローダウン(未決済の含み損を含む)は64%に達する。これはグリッド構造のEAに共通の性質で、『残高DDが小さい』という数字だけを見せられたら疑うべきである。当社が有効DDを必ず併記しているのはこのためだ。

2本は符号が反転した

AUREUS GOLD と GOLD PIVOT は、HFM と XM で損益の符号が入れ替わった。ただし振れ幅はいずれも初期資金の±5%以内で、7ヶ月・取引数20前後という条件では誤差の範囲と考えている。それでも「ブローカーによって結果は変わる」という事実の実例として、隠さず載せておく。

この窓では負けているEAが多い

2026年1〜7月という特定の7ヶ月を切り取れば、24本のうち半数近くが小幅なマイナスである。低頻度のトレンド追随型が多く、この期間に条件が揃わなかったEAは数回しか売買していない。短い窓の損益で優劣を語れないことは、私たちが市販EAを批判する時に使っている論理そのものであり、自社にも同じ物差しを当てる。

検証データについて

本ページの数値は全て、MT5 ストラテジーテスターが出力した実レポートから機械的に抽出したものである。レポート本体は社内アーカイブに保管し、公称値を差し替える際は必ず現物と突き合わせている。ご要望があれば個別のレポートを開示する。

Why we publish this

都合の悪い数字ほど、先に出す

私たちは市販EAを800本以上実ティックで回して、その大半が幻だったと書いた。同じ物差しを自社に当てないなら、その批判は成り立たない。自社の主力EAに不具合が見つかったこと、それを修正して再検証したこと、そして今も残っている弱点——全部ここに置いておく。

免責: 本ページの数値は過去の一定期間における検証結果であり、将来の成績を約束するものではありません。自動売買には元本を失うリスクがあります。掲載値は 2026年1月2日〜7月31日・初期資金$10,000・レバレッジ1:500・出荷時既定値での実測です。

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