同じEAを、3社で回した。
市販EAを実ティックで斬ってきた同じ刃を、自社の全ラインナップに向けた。24本を XMTrading・HFM・Exness の実ティックで、同一期間・同一設定・既定値のまま総当たりで回す。ブローカーが変わっても同じEAは同じ挙動をするのか——その全数値を、都合の悪いものも含めて置く。
Why
なぜブローカーを変えて回すのか
実ティックで検証しても、それが1社のデータなら「その1社にたまたま合っていただけ」の可能性が残る。スプレッド、約定の癖、サーバーのタイムゾーン、銘柄の呼び名と仕様——ブローカーが変われば全部変わる。1社で綺麗な曲線が出たEAが、別の会社では口座ごと溶けることが現実にある。だから同じバイナリ・同じ設定のまま、複数社で同時に回して突き合わせる。
検証条件
- 対象
- 自社EA 24本(公開ラインナップ全数)
- ブローカー
- XMTrading / HFMarkets / Exness の各デモ
- ティック
- Model=4 実ティック要求。ただし実被覆は XM=100% / HFM=54〜56%(下記注記)
- 期間
- 2026.01.02 – 2026.07.31(全社で同一)
- 資金
- $10,000 / レバレッジ 1:500
- 設定
- 全て出荷時の既定値(検証用の味付けなし)
Result
24本中21本は、ブローカーが変わっても符号が一致した
下表は HFM と XM の突き合わせである。損益の符号(勝ち/負け)が両社で一致したのが 21本、反転したのが 2本、そして1本だけ、片方のブローカーでだけ壊れた。有効ドローダウンの差はほとんどの銘柄で数ポイント以内に収まっており、EAの挙動そのものはブローカーを越えて再現している。
| EA | HFM 損益 | XM 損益 | HFM 有効DD | XM 有効DD | 取引数 (HFM/XM) |
|---|---|---|---|---|---|
| GOLD NEURON | +2,781,698 | +1,696,133 | 16.38% | 21.14% | 447 / 444 |
| BITCOIN METEOR | +1,971 | +1,588 | 36.21% | 36.67% | 10 / 10 |
| BITCOIN NOVA | +1,874 | +1,476 | 30.43% | 30.60% | 10 / 10 |
| TRINITY TREND | +886 | +331 | 14.73% | 18.35% | 38 / 38 |
| NASDAQ DIP BUYER | +331 | +746 | 2.98% | 6.23% | 2 / 9 |
| MONTHLY BURST | +492 | +675 | 9.17% | 9.40% | 55 / 53 |
| BITCOIN GLACIER | +380 | +306 | 4.39% | 4.62% | 3 / 3 |
| BITCOIN COMET | +233 | +264 | 12.27% | 12.27% | 12 / 12 |
| SOLANA COMET | +22 | +190 | 6.77% | 6.43% | 11 / 11 |
| BITCOIN NANO | +157 | +111 | 2.72% | 2.88% | 3 / 3 |
| GOLD BLITZ | +74 | +75 | 3.81% | 3.79% | 5 / 5 |
| ETHEREUM TREND | +24 | +4 | 10.48% | 10.97% | 8 / 8 |
| AUREUS GOLD符号反転 | +75 | -233 | 20.51% | 20.69% | 18 / 19 |
| GOLD PIVOT符号反転 | -553 | +300 | 10.07% | 5.86% | 24 / 24 |
| MEGAMAX USDJPY | -199 | -328 | 11.56% | 12.51% | 56 / 60 |
| GOLD VIPER | -289 | -764 | 23.93% | 24.54% | 18 / 19 |
| BITCOIN COIL | -386 | -401 | 7.38% | 7.43% | 3 / 3 |
| ATLAS PORTFOLIO | -459 | -1,004 | 26.75% | 28.26% | 154 / 173 |
| MEGAMAX GBPJPY | -797 | -974 | 22.37% | 23.77% | 119 / 121 |
| MEGAMAX EURJPY | -807 | -969 | 22.42% | 23.61% | 119 / 121 |
| ETHEREUM NOVA | -1,068 | -1,372 | 27.70% | 29.04% | 7 / 7 |
| OVERDRIVE USDJPY | -1,541 | -1,931 | 31.63% | 33.88% | 56 / 57 |
| DONCHIAN ENGINE | -199 | -328 | 11.56% | 12.51% | 56 / 60 |
| GOLD KING v6不具合を検出 | +6,270 | -9,772 | 54.72% | 98.61% | 345 / 451 |
※DONCHIAN ENGINE(無料版エンジン)は MEGAMAX USDJPY と同じ中核を同じ銘柄で回すため、数値が一致する(誤記ではない)。
この表を成績表として読まないでほしい
これは7ヶ月・既定値・デモ口座の記録であり、収益性の主張ではない。取引数が1桁のEAが何本もあり、その損益は統計的に意味を持たない。ここで見るべきは絶対額ではなく「同じEAが会社をまたいでも同じ振る舞いをしたか」の一点である。各EAの実際の検証成績(複数年・実tick)は、それぞれの詳細ページに置いてある。
What broke
1本だけ、片方のブローカーで壊れた
GOLD KING v6 は HFM では +6,270 だったのに、XM では -9,772——資金の97.7%を失い、有効ドローダウンは98.61%に達した。同じバイナリ・同じ設定である。原因を追うと、EAの不具合だった。サーバー時刻とGMTのズレを起動時に一度しか測っておらず、3月と11月の夏時間切り替えを跨ぐと1時間ずれたまま走り続ける。セッション時刻で入る戦略にとって、1時間のズレは戦略そのものの破壊である。
検出方式を「週明けのギャップから毎週測り直す」に変更し、出荷バイナリ(v6.21)で同じ窓を回し直した。
| 修正前 | 修正後 (出荷 v6.21) | |
|---|---|---|
| 純損益 | -9,772 USD (-97.7%) | +7,760 USD (+77.6%) |
| プロフィットファクター | 0.48 | 3.11 |
| 最大 有効ドローダウン | 98.61% | 64.18% |
| 取引数 | 451 | 390 |
この不具合は、1社だけで検証していたら永久に見つからなかった。HFM でも Exness でも、修正前のバイナリは黒字だったからである。複数社で回すことの価値は、まさにこういう所にある。
Full disclosure
正直に言っておくこと
★2社は実ティックの被覆率が違う
MT5 に Model=4(実ティック)を要求しても、実際に実ティックで埋まるのはブローカーが配信している期間だけで、足りない分は MT5 が M1バーから生成したティックで補う。今回の実測被覆は XM が100%、HFM は54〜56%だった。つまり本ページの HFM 側は、期間の約半分が生成ティックである。したがって XM と HFM の差は『ブローカーの違い』だけでなく『ティック品質の違い』も含む。私たちが市販EAを批判する時に使っているのと同じ論点なので、自社の表にも同じ注記を付ける。レポートに MT5 自身が『ヒストリー品質 N% リアルティック』と書いているので、購入前に必ずそこを見てほしい。
修正後も有効DDは64%と高い
GOLD KING v6 は残高ベースのドローダウンが4.16%しかない一方、有効ドローダウン(未決済の含み損を含む)は64%に達する。これはグリッド構造のEAに共通の性質で、『残高DDが小さい』という数字だけを見せられたら疑うべきである。当社が有効DDを必ず併記しているのはこのためだ。
2本は符号が反転した
AUREUS GOLD と GOLD PIVOT は、HFM と XM で損益の符号が入れ替わった。ただし振れ幅はいずれも初期資金の±5%以内で、7ヶ月・取引数20前後という条件では誤差の範囲と考えている。それでも「ブローカーによって結果は変わる」という事実の実例として、隠さず載せておく。
この窓では負けているEAが多い
2026年1〜7月という特定の7ヶ月を切り取れば、24本のうち半数近くが小幅なマイナスである。低頻度のトレンド追随型が多く、この期間に条件が揃わなかったEAは数回しか売買していない。短い窓の損益で優劣を語れないことは、私たちが市販EAを批判する時に使っている論理そのものであり、自社にも同じ物差しを当てる。
検証データについて
本ページの数値は全て、MT5 ストラテジーテスターが出力した実レポートから機械的に抽出したものである。レポート本体は社内アーカイブに保管し、公称値を差し替える際は必ず現物と突き合わせている。ご要望があれば個別のレポートを開示する。
都合の悪い数字ほど、先に出す
私たちは市販EAを800本以上実ティックで回して、その大半が幻だったと書いた。同じ物差しを自社に当てないなら、その批判は成り立たない。自社の主力EAに不具合が見つかったこと、それを修正して再検証したこと、そして今も残っている弱点——全部ここに置いておく。
免責: 本ページの数値は過去の一定期間における検証結果であり、将来の成績を約束するものではありません。自動売買には元本を失うリスクがあります。掲載値は 2026年1月2日〜7月31日・初期資金$10,000・レバレッジ1:500・出荷時既定値での実測です。