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「+5,000%」のバックテストに騙されない — 複利の錯覚と、本当に見るべき数字

公開日: 2026-07-15読了目安: 約1分
本記事は公開日時点の情報です。EAの実績数値(PF・DD・年率)は運用や再検証で変動するため、最新値は各EAページでご確認ください。 最新のEA実績を見る

「+5,000%」のバックテストに騙されない

「10年で+6,408%」「資産100倍」——EAの販売ページで、目を疑うような数字を見たことがあるはずです。直感的には「そんなに増えるならすごいEA」と思う。しかし、この手の巨大な純益%は、EAの実力ではなく、複利の掛け算で作られていることがほとんどです。

同じEAでも、複利設定だけで純益は何十倍にもなる

決定的な事実を先に言います。まったく同じ勝率・同じプロフィットファクターのEAでも、複利のかけ方だけで、純益%は10倍にも50倍にもなります。

複利とは、増えた残高に比例してロットを大きくしていく仕組みです。序盤に少し勝つと、次はより大きなロットで賭ける。それがまた勝てば、さらに大きく。うまくいく限り、純益%は指数関数的に膨らみます。

だから「+6,408%」という数字は、EAが優秀だという意味ではありません。「複利を強くかけた」という意味でしかない。同じEAを固定ロットで回せば、同じ期間の純益は+150%かもしれない。実力は何も変わっていないのに、表示される数字は40倍以上違う。

複利は「増加」だけでなく「破壊」も加速する

複利の本当の問題は、上げるときだけ効くのではないことです。下げるときも同じ勢いで効きます。

残高が増えてロットが大きくなった状態で、大きなドローダウンが来たらどうなるか。大きなロットで負けるので、損失額も膨らむ。複利は、利益を指数関数的に増やす一方で、いざ逆行したときの減少も加速させるのです。

だから、複利を強くかけたバックテストの「+6,408%」の裏には、たいてい巨大な最大ドローダウンが隠れています。同じEAの実際のレポートを見ると、DDが89%——つまり一時的に資産の9割近くを失う局面があった、ということが珍しくありません。純益%だけを見て、DDを見なければ、その危険は見えません。

だから純益%ではなく、これを見る

EAの実力を測るなら、複利で膨らむ純益%は指標として不向きです。見るべきはこちらです。

見るべき数字理由
プロフィットファクター複利の影響を受けない。総利益÷総損失の純粋な比率
最大ドローダウン(有効ベース)複利の代償がここに出る。純益%とセットで見る
勝率と平均損益比戦略の性質がわかる(勝率の記事参照)
取引回数数字が偶然でないか(取引回数の記事参照)

プロフィットファクターは、複利をかけようがかけまいが変わりません。だから、異なるEAを公平に比較したいときは、純益%ではなくPFで比べるべきです。

「複利マジック」を売り文句にしない理由

「年利×10年でこれだけ増えます」という複利の掛け算は、約束ではありません。相場は一定ではなく、途中でドローダウンが来れば複利は逆に働きます。私たちが年利や純益%を派手に打ち出さないのは、複利で膨らんだ数字は、実力ではなく設定の産物だと知っているからです。

私たちの製品ページでは、純益%と並べて必ずプロフィットファクターと有効ドローダウンを出し、攻撃型EAには「複利」の定義と破綻リスクを明記しています。

自分で確かめる

無料EAでバックテストを走らせ、UseCompoundingtruefalseで切り替えて、純益%がどれだけ変わるかを見てください。プロフィットファクターは変わらず、純益%だけが大きく動くはずです。これが「純益%は実力の指標にならない」ことの実証です。

Donchian Trend Engine(無料EA)の詳細

全製品の、複利に左右されないPF・有効DDベースの実データは検証ページで公開しています。

まとめ

  • 巨大な純益%(+5,000%など)は、実力ではなく複利の掛け算で作られる
  • 同じEAでも複利設定だけで純益%は何十倍にもなる
  • 複利は利益だけでなくドローダウンも加速する
  • 実力を測るならPF・有効DD・勝率・取引回数を見る
  • 純益%だけを強調してDDを書かないEAは疑う

関連記事:EA運用の月利目標はいくらが現実的?有効DDと残高DDの違い勝率90%のEAが危険信号である理由

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