悪質EA・市販EAの見抜き方 — 買う前に確認すべきこと
最終更新: 2026-05-20 | 読了目安: 15分
「月利30%」「勝率98%」——EA市場にはこうした宣伝が溢れていますが、その多くは実態を伴いません。中には、いずれ必ず口座を破綻させる設計のEAや、他人のEAを名前だけ変えて売る再販品も存在します。この記事では、お金を払う前・口座に入れる前に確認すべきポイントを整理します。
なぜ「儲かるEAの宣伝」を疑うべきか
本当に安定して稼げるEAがあるなら、わざわざ他人に売る理由はほとんどありません。自分で運用した方が利益になるからです。販売されている時点で、「売る側にとっての利益=販売収入」であることを前提に見るべきです。
また、宣伝に使われる成績の多くはバックテスト(過去データ)であり、過剰最適化されていれば実運用では再現しません。「複利で年率○○倍」という表示も、一度でも大きなドローダウンが来れば崩れる皮算用です。
危険なEAの5つの特徴
損切り(SL)を置かない
「勝率100%」をうたうEAの多くは、含み損を抱えたまま決済しないだけです。損切りをしなければ、利益が出た取引は記録され、損失は「未決済の含み損」として隠れます。やがて一度の急変動で口座ごと吹き飛びます。
無限ナンピン・マーチンゲール
逆行するたびにロットを増やして買い増す設計です。多くの場合うまく機能しているように見えますが、トレンドが続くと指数関数的に損失が膨らみ、証拠金を使い切ります。使う場合は「破産前提」と理解した上で、失っても困らない金額に限定してください。
バックテストができない(DRMロック)
ストラテジーテスターでの実行を拒否するEAがあります。オンライン認証を必須にしたり、テスター環境を検出して動作を止めたりします。検証されると都合が悪い——つまり成績を見せられない可能性があります。
パラメーターやロジックが一切公開されていない
どんな相場で・なぜ利益が出るのかを説明できないEAは、作者自身も理解していないか、説明したくない事情があります。「秘密のロジック」は売り文句であって、品質の証明ではありません。
成績がバックテストのみ・フォワード実績がない
リアルタイムのフォワードテスト実績がなく、過去のバックテスト画像しかないEAは要注意です。バックテストはいくらでも良く見せられます。
名称変更による使い回し再販の見抜き方
EA市場では、まったく同じプログラムが名前を変えて複数の商品として売られていることがあります。中身は1つなのに、別物のように見せて何度も販売する手口です。
完全に同一のファイルかどうかは、ファイルのハッシュ値(MD5など)を比較すれば分かります。2つのEAファイルのMD5が一致すれば、それは100%同一のプログラムです。暗号化されていてもファイルサイズが極端に近い場合は、同じソースのクローンを疑えます。
| 確認方法 | 分かること |
|---|---|
| MD5ハッシュが一致 | 完全に同一のファイル。名称変更による再販で確定 |
| ファイルサイズがほぼ同じ+同じ作者 | 同一ソースのクローンである可能性が高い |
| 宣伝文・パラメーター名がそっくり | 同じテンプレートの流用を疑う |
| 販売者・連絡先が同じ | シリーズ商品として量産されている |
購入前チェックリスト
EAを購入・導入する前に、次の項目を確認してください。1つでも「いいえ」があれば慎重になるべきです。
- ☑損切り(SL)が必ず設定される設計か
- ☑ナンピン・マーチンゲールの有無が明示されているか
- ☑ストラテジーテスターでバックテストを実行できるか
- ☑どの相場で・なぜ利益が出るのかが説明されているか
- ☑リアルタイムのフォワードテスト実績が公開されているか
- ☑ドローダウン(最大下落)の数字が示されているか
- ☑「絶対」「保証」など過剰な言葉を使っていないか
- ☑返金・サポートの条件が明記されているか
安全なEAの選び方
まず、自分でバックテストとフォワードテストができるEAを選ぶことです。検証を許可しているEAは、それだけで一定の誠実さがあります。デモ口座で最低3ヶ月運用し、宣伝された成績と実際が乖離しないかを自分の目で確かめてください。
次に、戦略が説明できるEAを選ぶこと。「アジア時間の値幅収縮を狙う」など、どんな相場で利益を出すのかが言語化されているEAは、作者が戦略を理解しています。
最後に、最初は最小ロットから始めること。どんなに評判が良くても、自分の口座・ブローカーとの相性は動かしてみないと分かりません。失っても困らない金額で検証期間を設けてください。